22 歳になった

22 歳になりました。

近況

せっかくなので近況報告をば。以降いつもに増して雑に書きなぐっています。

今何してるの

今は正社員としてシャカイジンモドキをしながら、引き続き大学に通っています。 会社での稼働量はそれなりに抑えているし、大学もほとんどオンライン授業なのもあり、なんとか時間をやりくりできていますが、 もしこのようなご時世に突入していなかったら破滅していたと思います。

体重

減った。

身長

伸びてない。

視力

落ちた。

筋力

ちょっと増えた。筋トレをしている。

体力

落ちた。老化を感じている。助けて。

学業

4S(四年生前期)を無事終えました。 ただあまり成績が良くなかったので(二科目ほど良を得てしまった)、あまり無事に終えた、という気分ではありません。 「不完全燃焼」という言葉がよく似合う学期でした。

……とだけ書いて、筆をおいてもいいかなと思ったんですが、せっかくなので「情報科学演習 III」という演習の思い出を書いておこうと思います。3A(三年生後期)の通称「CPU 実験」と並ぶ名物授業なので。

「情報科学演習 III」(通称「演習3」)は、3 つの研究室にそれぞれ 4 週間ずつお邪魔して、輪講をやったり実験をしたりする演習でした。 同級生のブログの記事 を読むと雰囲気がわかると思います。 僕は第一期に加藤研、第二期に高前田研、第三期に小林研にお邪魔してきました。

まず第一期の加藤研では、所謂 Library OS 関連の論文をいくつか読んだあとに、Linux Kernel Library(LKL) で遊びました。 具体的には LKL を使って、Linux 中のデバイスドライバを再利用しつつ User-space I/O をする、みたいなことを先輩の手厚いガイドのもとやっていました。 色々パフォーマンス計測をしてボトルネックを探す、みたいなこともしました。 この手の話を何も知らないところからスタートした分、最初は全く勝手が掴めずに苦心しましたが、 メンターの某氏の丁寧すぎるとも思えるほどのお膳立てにより、一か月非常に楽しんでこの辺の技術を学ぶことができました。 メンターを引き受けてくださった某氏には感謝が尽きません。

第二期の高前田研では、Ender et al.(USENIX Security ‘20)Coughlin et al.(FPGA ‘19) を読んで「この辺にはこういう研究があるんだなあ」という気持ちになった後、Ultrascale+ シリーズの Bitstream ファイルのフォーマット解析をしてました。このレイヤの Reversing ができたら面白そうだね、というのは昔から思っていたので、いい機会でした。 ただ一か月という期間(+ 各週作業に取れる時間はせいぜい 3h 程度)でこれをやりきるのは難しく、よく諸先輩に言われてきた「研究テーマを選ぶときには、解けるものを選ぶのが大事」という言葉が、よりよい解像度で納得できるようになりました。

第三期に関してはもはや何をしたか覚えておらず、反省の念だけが残っています。 モチベーション維持も、作業時間の確保も、求められているものの理解も不十分だったので、「炎上」を繰り返してしまったし、結果他人の時間を無駄にしてしまったなと悔いています。 この演習の配属希望の時には、大学院に行くなら加藤研か高前田研だろうと思っていたので、第三希望は熟慮することなく埋めたのですが、これがもっとも反省すべきことでした。

労働

幸い今の僕には失って困る立場も実績もないので、自分が知らない技術を積極的に採用しながらアプリケーションを書いて遊んでいます。 やっぱりコードを書くのは楽しいし、知らない領域を学んでいくのは楽しいものですね。 まあよく知らないことばかりやっていると、自分の無知を思い知るし、自分の無能さを嘆きたくなる時もあるし、社内に相談できる人がいなくて困ったりすることが結構あるんですが、こういう小さい挫折を繰り返しているおかげで、ほどよく学習のモチベーションを保てている気がします。

あと組織レイヤの話やビジネスレイヤのことで頭を悩ませたり、UI/UX について思いを馳せたりすることも、そこそこあります。 今の会社のフェーズだと、顧客に価値が届くまでのプロセスすべてを見渡せるので、楽しくていい。

精神

最近は、自分の無能さを毛嫌いしなくなったし、不完全な自分というものを受け入れられるようになった気がします。もともとは、経験も知識もない、すっからかんな自分という人間が全く許せていませんでした。逆に今はそういう自分と素直に向き合って、できることをしよう、という気持ちが大きいです。その分精神的に健康にもなりました。自分は自分の畑を耕すのが一番ですね。まあ健康的になった、という意味ではちょっと成長したのかもしれないし、鬼気迫った感じが消えたという意味では退化したのかもしれない。

進路

大学院は?

大学院の出願締め切りが演習 3 の第二期の半ばくらいにありました。 そのため、第一期の後半ごろから出願するかどうかをかなり悩んでいたのですが、結局大学院には行かないことにしました。

主な悩みのタネは、現状研究に対するモチベーションがそこまで高くないことでした。 以前某社の東京基礎研究所でお世話になっていた 1 年間の記憶や、演習IIIの記憶、先輩諸氏の話等の様々な記憶を掘り出してきて、総合的に考えてみましたが、少なくともこのまま大学院に進んで研究したいという気持ちは湧きませんでした。

もちろん、僕はまだ研究者と呼べる程度の能力が獲得できていないと思っています。 また修士号や博士号がないと選べないキャリアというのもあるでしょう。 一応「大学院に行かない」という決断をする上では、これらも悩みのタネでした。

この他にもいくつか悩みのタネがあったので、色々理屈立てて考えたり、人生の先輩の話を聞いたり、色々してました。 大体一か月間くらい。

しかし多分、僕の性格上、自分の選ばなかった選択肢に思いを馳せることも後悔することもないだろうと思います。 じゃあ今やる気を持てる選択肢、楽しいと思える選択肢を選んでやろうということで、 結局大学院には今は行かずに社会で労働者としてやっていくことにしました。

じゃあ春からは?

春からも 株式会社Flatt Security にいる予定です。社会人力がほしい。助けて。

次回作は?

とりあえず来年 3 月までにやろうとしてることを書きます。

10 月、ちょっとしたオンラインイベントを SECCON Beginners としてやろうとしています。お楽しみに。

で、11 月、セキュリティ・キャンプ全国大会で講義します。 昨年に引き続き講師として参加できてうれしい。

またセキュリティ・ミニキャンプは「新しい生活様式」のもと、精一杯いろんなことに気を払いながら、オフライン開催していくことになっています。こちらのサポートにも引き続き参加予定です。僕は自分の能力に限界を感じているので、世界を僕の腕力でよくすることはできないかもしれないけど、優秀な方をサポートすることまではできると思っているので、こういう活動はこれからも続けていきたいと思っています。

あと実は昨年から書籍の執筆に取り組んでいます。 商業誌なので、いろんな方にお世話になりながら。 これは年内には上梓の報告ができたらいいなと思っています。

また、これとは別に、別途複数人で作ろうとしている書籍もあります。僕の contribution は小さくなる見込みだけど、こっちも頑張っている。

これらと並行して、大学の方でも、卒業研究がスタートしました。 僕が大学院に行かない分、実質研究に使える期間が半年程度なので、テーマは小粒なものになる予定です。 が、動くものは作れそうなテーマにしようとしているので、これもでき次第公開したいなと思っています。

あと、会社の方からもいい報告ができたらいいな。 こっちは個人的な活動ではない分、ペラペラいろんなことを喋ることはできないんですが、仕掛けたいことは沢山あるので、こうご期待。

以上、残りの大学生期間でやろうとしていることリストです。年の瀬か、年度終わりにでも、また振り返ろうと思います。

終わりに

かるく半年を振り返って、僕はとても人に恵まれているなという気持ちになりました。他人に支えられ散らかして生きている。感謝、感謝。22 歳の一年も楽しめたらいいなー。

Written on September 17, 2020